ネットショップの開業届はいつ出す?青色申告との違い
ネットショップの開業届と青色申告は、別の手続きです。国税庁の案内で分かる基本と、出す時期を決める前にやっておきたい記録のつけ方、迷ったときの相談先を整理します。
よしきです。
「ネットショップを始めるなら、開業届ってもう出さなきゃいけないの?」。最初のうちは、ここで手が止まる方が多いんです。商品を1つも出していないのに、役所の書類のことを考え始めると、気持ちだけ疲れてしまいますよね。
今日は、開業届と青色申告の基本を、国税庁の案内を軸に整理します。先にお伝えしておくと、この記事は一般的な制度の説明です。「あなたはいつ出すべきです」とは言えません。そのかわり、迷わないための順番はお話しできます。
開業届と青色申告は別の手続き
よく混ざってしまうのですが、この2つは別々の書類です。
| 開業届 | 青色申告承認申請書 | |
|---|---|---|
| 役割 | 事業を始めたことを届ける | 青色申告で申告したいと申請する |
| 出す先 | 税務署 | 税務署 |
| 期限 | 国税庁の案内で確認 | 原則その年の3月15日まで(下で説明) |
開業届を出しただけでは、青色申告を選んだことにはなりません。「開業届を出したから、青色になっていると思っていた」という勘違いは、よくあるそうです。
ポイント:青色申告をしたいときは、開業届とは別に、青色申告承認申請書も出す必要があります。
青色申告の期限と、受けられる特典
国税庁のタックスアンサー「No.2070 青色申告制度」(2026年10月時点で確認)によると、青色申告承認申請書の期限は次のとおりです。
- 原則:青色申告をしようとする年の3月15日まで
- その年の1月16日以後に新しく事業を始めた場合:事業を始めた日から2か月以内
期限をさかのぼることはできません。「あとから出せばいい」と思っていると、その年の分には間に合わないことがあります。
青色申告の主な特典も、同じページに載っています。
- 青色申告特別控除:帳簿のつけ方や申告の方法によって、控除の額が段階的に分かれます
- 純損失の繰越し:その年に出た赤字を、翌年以後3年間にわたって繰り越せます
- 青色事業専従者給与:生計を一にする家族に払った給与を、届け出た範囲で経費にできます
ただし、これらを受けるには、きちんと帳簿をつける要件を満たしている必要があります。メリットだけを見て早く出せばよい、という話ではありません。
開業届は「いつ」が正解か
結論から言うと、「売上が○円になったら出す」という決まった基準はありません。出す時期は、事業をこれからも続けたい、本格的に育てたいという段階かどうか、そして副業なのか本業なのかといった実態で変わります。
ここで、出す前に知っておきたい注意点があります。会社員の方が開業届を出したあとで、会社を辞めて失業給付を受けようとしたら、開業していることを理由に受けられなかった例がある、と税理士さんから聞いたことがあるそうです。
早く出すのが、いつも得とは限らないんです。ご自身の状況によっては、思わぬ影響が出ることもあるので、出す前に税務署や税理士さんに確認してくださいね。
青色申告についても同じです。売上が安定していない時期に出して、あとから「事業として成り立っていたのか」を確認される可能性があり、控除が取り消されるおそれがある、というお話もありました。時期の判断は、プロの目で見てもらうのが安心です。
確定申告は「売上」ではなく「所得」で考える
確定申告は、1年分の所得税をまとめて申告する手続きです。国税庁のタックスアンサー「No.2020 確定申告」(2026年10月時点で確認)では、申告の期間は原則として翌年の2月16日から3月15日までとされています。
ここで間違えやすいのが、見るのは売上ではなく所得だという点です。所得は、売上から必要経費を引いて、手元に残る分のことです。仕入れや広告費がかかっていれば、売上が大きくても所得は小さいことがあります。
会社員の方が副業でネットショップをする場合は、さらに別の見方が出てきます。「給与以外の所得が20万円以下なら申告は不要」という話があります。国税庁のタックスアンサー(No.2020)では、一定の条件を満たす給与所得者について、給与と退職所得以外の所得が20万円以下の場合は申告が不要とされています。ただし、これは条件つきです。「副業なら全員この金額以下は不要」という意味ではありません。住民税の申告については、お住まいの市区町村にも確認してください。
申告が必要かどうかは人によって違うので、ご自身のケースを、税務署や税理士さんに確認してください。
出す前にできる、いちばん大事な準備
実は、開業届や青色申告の書類を出すより前に、先にやっておきたいことがあります。売上と経費の記録です。
- 入ってきたお金と出ていったお金を、なんとなくではなく、ちゃんと残す
- 記録は、毎回すぐでなくてよい。3日に1回など、タイミングを決めて続ける
- 領収書や請求書は、保存しておく。ネット上の請求書は、見られる期間が限られていることもあるので、早めに手元に残す
記録がないと、相談するときにも「何を聞けばいいのか」が分かりません。相談された側も、数字が見えないと答えようがないんです。経費になるかどうかも、あとから思い出そうとすると難しくなります。
売上が増えてくると、手書きや表計算だけでは追いつかなくなります。ネットショップの売上や手数料を自動で取り込める会計ソフトに慣れておくと、のちのち申告の書類を作るときも、税理士さんに見てもらうときも楽になります。
OWNER’Sには、売上の管理、リサーチ、競合のリストを1つにまとめたGoogleスプレッドシートのひな形(OWNER’Sシート)があります。細かい金額まではぴったり合わせなくても、大まかな出入りをつかむ最初の一歩として、記録の習慣づくりに使えます。
迷ったときの相談先
ネットの情報は、古い内容が残っていることもあります。「これで合っているかな」と思ったら、次のような窓口が使えます。
- 国税庁のタックスアンサーやチャットボット(まず基本を調べる)
- 国税相談専用ダイヤル(電話での一般的な相談)
- 税務署での面談(事前予約が必要なことが多いです)
- 地元の税理士会や自治体の無料税務相談(決まった時間で相談できます)
- ご自身で将来お願いしたい税理士さん
無料相談は時間が限られています。売上と経費の記録、聞きたいことのメモを持って行くと、時間を有効に使えます。税理士さんによって考え方が違うこともあるので、一人の意見だけで決めないのもコツです。
まとめ
- 開業届と青色申告は、別の手続き
- 青色申告の承認申請は、原則その年の3月15日まで。新しく始めたときは2か月以内
- 出す時期に決まった売上の基準はなく、実態やご自身の状況で変わるので、個別に確認する
- 先にやるのは、売上と経費の記録を続けること
焦って書類を出すより、まず記録を整えて、数字を持って相談する。この順番なら、あとから慌てずにすみます。税金のことは、最新の内容を国税庁のサイトでご確認のうえ、税務署や税理士さんにご相談くださいね。
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参考資料・出典
記事の中の料金・仕様・制度などは、次の公式サイトで確かめています(確認日つき)。
- 国税庁:No.2070 青色申告制度nta.go.jp · 承認申請の期限、青色申告の主な特典 · 確認日:2026-10-21
- 国税庁:No.2020 確定申告nta.go.jp · 申告の期間、給与以外の所得が20万円以下の場合の扱い · 確認日:2026-10-21
- 国税庁:No.2090 新たに事業を始めたときの届出などnta.go.jp · 開業届と青色申告承認申請書が別の届出書であること · 確認日:2026-10-21